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現物出資とは

現物出資とは

株式会社でも合同会社でも設立する場合、現金で出資するのが一般的です。しかし、お金以外にモノを出資する方法があります。それが「現物出資」というやり方です。現物出資の方法をとると、現金での出資が少なくても資本金を大きく見せることができますので、会社の信用力を資本金でみる人に対しては有効だと思います。出資する現物には

  • 自動車
  • パソコン
  • 製造用機械
  • 有価証券
  • 不動産
  • 特許権などの知的財産権   など

がありますが、労務や信用、アイデアなどを出資する形はとれません。会社成立後に貸借対照表上の資産の部に計上されなければならないからです。現物出資は現金と違い、出資する財産が現時点でどれくらいの価値があるものなのか第三者にはわからないことが多いです。それを逆手にとって大して価値のない動産を価値があるものと称して現物出資をしようとする方もいらっしゃるように聞きます。

例えば30万円の価値しかない中古車を100万円の価値があると言い張って出資するケースです。その場合、会社の成立の時における現物出資財産等の価額が、定款に記載された価額に著しく不足するときは、原則として、発起人及び設立時取締役は、会社に対し、連帯して、その不足額を支払う義務を負うことになります。(会社法第52条)。上記の例でいえば、100万円と30万円の差額である不足額70万円を、発起人及び設立時取締役が、会社に対し、連帯して支払う義務を負うことになります。 なお、出資した現物が自動車や不動産である場合は、会社が成立した後に名義を会社に変更する必要がありますのでご注意ください。

現物出資、実際にはどうするのか

現金以外にモノを出資することができることはわかりましたが、実際にはどのようにするのかを説明します。 ポイントは2つです。

(1) 定款に出資するモノの内容、出資する人の氏名、モノの価格を記載する

内容については、モノの名称、メーカー名、型式名、製造番号、年式などです。

例1)自動車の場合、トヨタ ハイエース ABC-DE100 平成24年式
例2)不動産の場合、所在:熊本県熊本市中央区〇〇  地番:123番  地目:宅地  地積:100平方メートル

(2) 出資するモノの価格を調査し、証明した書類を作成する

動産について市場で取引されているようなモノであれば、中古相場が価格の参考になります。不動産については固定資産評価証明や公示地価などが参考になります。動産も不動産も出資総額が500万円以下であれば、設立時取締役の調査報告書で足りますが、 500万円を超える場合は、弁護士、公認会計士、税理士等会社法で定める専門家による 証明書が必要です。この証明書を発行してもらうにはお金がかかります。また不動産に関しては、不動産鑑定士による鑑定証明書も必要です。現物出資のトータル金額が500万円を超えないようにすると、設立の手間はそれほどかかりません。

なお、現金出資はゼロ、現物出資のみという会社も作ることは可能ですが、会社を運営していくのに必要な設備資金や運転資金がないというのは一般的には考えにくいので、設立するだけ無駄になると思います。資本金を大きく見せたい場合でも、3ヶ月分くらいの運転資金を出資するようにしてください。 弊所は現物出資のある会社の設立実績もございますので、現物出資をお考えの方はお気軽にご相談ください。

 

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